ベンガルクルー一同、AOBAのクルー高橋正実さんのご冥福を謹んでお祈り申し上げます。


通信隊まゆこです。
沖縄レースのことをアップしようと思いながら早10日以上。。。そろそろ記憶が曖昧になってきているので忘れないうちに!


4月27日(金)
沖縄回航時間切れで、種子島で無念のリタイアを遂げた私は、今度こそは!の沖縄入り。
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スタートの2日前にはほぼ全員がそろい、沖縄の味、酒、音楽を充分に堪能し
すっかりレースモード?お祭りモード?突入。遠征レース大好きなベンガルチームの本領発揮です。
夜は誰に羽が生えたとか生えてないとか。


4月28日(土)
 回航クルーが到着してからほぼ毎日雨だったとかで、私が到着した日のみ晴れ、スタート前日も雨でした。とほほ。青い空!青い海!輝く太陽!おきなわ~!!って感じの雰囲気を堪能することはあまりできませんでした。

サポートクルーも含めての集合写真。今回助っ人参戦の森さんも合流です。
いつもはトランスパックにあわせてアロハシャツですが、今年は沖縄なのでかりゆしです。
三線持ったシーサーがお尻にプリントされたにくいデザインです。そろそろユニホーム選びにもやっと慣れてきたユニホーム係まゆこ、渾身のチョイスです。いかがですか?
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レーススタート前日はマリーナの横で前夜祭。やぎ汁(ヒージャー汁というらしい)にオリオンビールにエイサーと沖縄の香り満載でのおもてなしを受け、色んなチームと交流しーの、某ライバルチームの丸坊主にします宣言に、チーム一同メラメラ燃えつつ、スタートに備え家路に着く。
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4月29日(日)
相変わらず曇り空の沖縄。 
ベンガル恒例のウクレレ・サトウ・あっきーのウクレレの奏とともにマリーナを出発しスタート海面へ。
スタート海面で最後のミーティング。デッキが広いとチャートをおっきく広げてミーティングまでできちゃうんです。すごい。
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新艇が届いてまだ数ヶ月、練習も整備もバタバタあわただしい中での、ロングレースに多少の不安を覚えるクルーを前に、オーナーが一言。「トランスパッカーが6人も乗ってるんだから大丈夫!」。うむ。そうだ。それに加え、TPじゃなくてもうちのチームは、以前の沖縄レース、上海大阪、パシフィックカップ、香港沖縄などなどロングレース経験者もたくさん。さらに、太平洋回航横断者も4名、私も含め。(この時点ではなんらかの形でお役に立とうと気合は入ってました、が。。。!)

時計のセットを1分間違えるという、4月に入って2回目の(個人的)ミスを犯しつつ、5分前突入。
その前後から(だっけな?)雨が本格降りに。萎える。。。。
スタート時スピンホイストに若干てこずりながらなんとかお昼0時、蒲郡までの長い旅路のスタートを切る。

スタート2時間半で最初のトラブル発生。ジブハリのトップのロックが外れその衝撃でウォンドが折れた?飛んだ?とりあえず、有無を言わすことなく、めんじょうさんが、笑顔でひぃひぃ言いながらホイストされ、強風の中てっぺんへ。どうやら折れたのではなく飛んだ模様。ということで、風に関するデジタル情報は一切ない中残りのレースを乗り切ることに。

ちなみに、その後も、ブームバングが壊れたり、ヘッドセールがほぼ全滅したり、油圧が故障したり、今回の沖縄回航の前に新調したハードドジャーが吹っ飛んで海の藻屑となったり、、、と3日間に渡り船体ダメージのトラブルは続きます。 

夕方6時、ワッチ体制開始です。今回はTPと同じオン、スタンバイ、オフの3チーム体制、そしてTPとは違いますが3時間制です。ここまで快調に20kt前後の風(確か)で10-13ktで走ってきていました。船酔いも特にせず、ただし、ヒールがすごいのでゆっくりと食事は取れませんでしたが。
どでかいスピンパックを女子チーム2人で、何度か吹っ飛ばされながら2回こなし、さすがに3回目は気持ち悪さに襲われ、ヤーンのみで断念。キャビン内にでっかいスピンを広げたままデッキ上に退散。。。

でもその後の夕方の時点では、元気にカップスープなんぞを振る舞い、まだまだ余裕しゃくしゃくでした。

が、ワッチオフで暗闇のキャビンに入ると、待ってました予想通りの本格的な気分の悪さ。船酔いする前に寝てしまえ!と食事もそこそこに就寝。3時間後たたき起こされてしぶしぶオイルスキンに着替え始めるが、そうだよね、そうだよねこの感じ、という感触で気持ち悪さがこみ上げてきました。

しかーし、船酔いは慣れたもの、気持ち悪いときはとりあえず水を飲んでトイレに行って便器を眺めると出てくるものが出てきてすっきりするというパターンを身につけている私は、正直なめていました。酔ったら戻す、というルールに従い半日ガマンすれば慣れる、と今までの経験にあぐらをかいていました。

たぶん1日目だったと思います、30kt前後のアップウィンドで艇速20kt前後。のぼりでの20ktは正直きつい。1日目のデイランはBengal2, Bengal7 (46ft)含め、ベンガル史上初の300マイル越えです。ひゃっぽー。そりゃ酔いが納まらんわ。。。
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時間が経てども気持ち悪さは納まるどころか悪化。空腹も手伝い気分最悪。
上りのためスプレーもすごく、上から下から水かぶりまくりで身体の中までべったべた。
ヒールはすごいし、前の超ドライなOhashi46に比べ、穴だらけのハンフリー54は船内超ウェット。
着替える気にもなりません。
気持ち悪くて気分最悪で、オイルスキンさえ脱ぐ気にならず、2回目以降のワッチオフはそのままの格好でバースではなくキャビンの床で就寝。同じようにぐったりした者2-3名。

4月30日(月)
記憶が定かではありませんが、私はたぶん2日目の午後くらいから起きられなくなった模様。
食べる気にもトイレに行く気にもなれずキャビンの床で人に顔や頭を蹴られ踏んづけられながらずーっと固まっていました。デッキ上で繰り広げられている大奮闘の数々はフィニッシュしてから聞くまで半分くらい知らず。

5月1日(火)
記憶が飛んでいます。確かに記憶が残っているのは、なんでヨットなんかに乗っているんだろう、なんで楽しいゴールデンウィークにこんな死ぬほど気持ち悪い思いしなきゃいけないんだろう、もう二度と乗るもんか!と念仏のように唱えていたこと。ちなみに三河湾内にはいり、快適セーリングをし、フィニッシュラインを切った頃にはこんな気持ちは徐々に忘れ始め、フィニッシュ後家に着いたときには、また乗ってもいいかなーなんてアホみたいに、のど元過ぎれば熱さもナントカでした。
もう1つ記憶に残っているのは、インナーがぬれてて冷たいので、となりで一緒に倒れているクルーに密着して暖をとっていたことと、船体がばったんばったん波をたたくたびに、キャビンにすごい衝撃が走り、ムチウチになるんじゃないかと気が気でなかったこと。

前述のように、色んなところに穴があるこの船。どんどんどんどんビルジがたまり、気づいた頃には足首上まで水が。。。ポンプを出動させたり、バケツリレーをしたり、とキャビン内総出で水かきです。でも雨も降ってキャビン入り口からのスプレーもすごいから(ハードドジャー飛んだし!)イタチごっこってやつです。

酔っ払いながらもバケツリレーに参加したような記憶が。

夜遅くには着けるかも、という目論見は外れ、テンションダウン。


5月2日(水)
朝から相変わらずビルジ抜き、というかもはや水かき。トイレも床上浸水していて、もう最悪。
ヒールがすごいし、この船のトイレは前向きについているので、バランスが取りにくい、そしてつかまるところがない。オイルスキン脱ぐの面倒だし、酔うし、トイレつかまるとこなくて大変だし、なんとなくチーム内ではトイレ我慢がトレンドに。水飲まないと脱水症状になるよ!

油圧システムがあるため、キャビン内にたまる水には油が浮いてなんか気持ち悪い。
そして、未開封のカップラーメンが浸水し、カップがふやけ中身が流出。オーナーのバースが油と麺にまみれてました。。。。

(確か)五ヶ所近辺でメインセールが破けセールダウン。伊良湖水道通過後に回航メインホイスト。
お昼過ぎに待望の三河湾へカムバック。それまでキャビン内で死んでいましたが、「フィナーレだよ!」の先輩クルーの一言に尻をたたかれデッキ上へ。ほとんどチームに貢献していないのに、フィニッシュを目前になぜだから達成感がふつふつと(調子いい)。

いつものクラブレース同様、最後の最後までフィニッシュブイをみつけられず、みんなであーだこーだいいながら見慣れた景色に見守られながらフィニッシュ!
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ファーストホーム万歳!でも、日本で一番レーティングが高い我がBengal7。ファーストホームしない限り、優勝はありえないのです。
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LMYCのみなさんによる、おもてなしはとっても温かくて嬉しかったです。
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カメラの電池も撮影者の電池も切れてしまっていたため、スタート前とフィニッシュ前後しか映像がないため、かなり笑顔満載の、ひーひー言っていた状況が想像できない、楽しいレース光景となっています。動画をお楽しみくださいませ。


facebookのアルバムに写真まとめました。 


レース後2-3日は整備のためにラグーナに集合。油でセールもベタベタということで広げて洗剤洗浄。セールを洗剤で洗うなんて初めて。
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GWということもあり、人がわいわいいるマリーナの雰囲気好きです。他のチームのドッグインにも立ち会えて、なんか感動です。みんな疲れ果ててるんだけど、達成感に満ち溢れた顔、海の男たちステキです。

うちのチームでの数日間の話題はもっぱら「潮かぶれ」と疲労回復について。どの薬がいいだの、赤みが引いただの。まだ身体が痛いだの、歩けないだの。お年寄り、おっと熟練者の多いチームはこんな感じです。

フィニッシュの日には、後続のGustの位置情報を見て、うむむ、厳しいかもなんて思っていましたが、結果的には修正1位。完全優勝ひゃっほーい!

今回のレース、改めて我がチームのメンバーの強さを感じました。
雨に打たれ、スプレーざばざばかぶり、船酔いに襲われながらも(船酔いなんて言葉、辞書にない人、約2名)歯を食いしばってラット握ったりバウ行って作業したりしている先輩クルーたちに心打たれました。特に気迫漂っていた4人は思い返せば、OP奪取にメラメラ燃えていたドライバーはじめ、みんなトランスパッカー。さすがです。
たぶん、回航だと3人だったから、自分が倒れられないって気迫に満ちていたけど、レースで15人も、しかもみんな私より経験者、私がいなくても大丈夫かも、という甘えがあったため今回キャビン篭り2泊、結果的に役に立てず、という結末になった、という言い訳をしたいと思います。

それから、もう1つ。うちのチームのチームワークのよさを改めて誇りに思いました。老若男女、熟練者未熟者色々デコボコなチームですが、どんな真剣なときも楽しむことを忘れない、ステキなチームだと思います。


読んでいただいたお分かりの通り、Bengalチームがレースをどのように戦ったのかに関して、私では有効な情報はほとんど提供できていません。。。心が折れていた、毎度のことレースの戦況をすぐ忘れる、そしてそもそもよく分かってない部分が多い、、、というイタすぎる状況のため。でも、色んな興味津々装置のついたハンフリー54でのBengalチームの走りに興味がある方も多いはず。そんな方のために、そしてベンガルを含めたラグナマリーナヨットクラブの3艇(Gust、朝鳥、Bengal7)の冒険談を聞きたい方のためにお知らせです。

5月19日(土) 16時~ @ラグナマリーナ クラブハウス 大会議室
LMYC 帆走技術講習会 「沖縄レースかく戦えり」開催
JSAF会員とLMYC会員、そして沖縄レース関係者ならばご参加いただけます。
沖縄レース関係者とは?レースに興味があってYellow Bricksにかじりついていた人、facebookで各艇を追いかけていた人、とにもかくにもこのレースを応援してくれていた人ならどんな方でも歓迎です。
講習会のあとにはポンツーンパーティーも開催されます!

また、BULKHEAD magazineにベンガルフィニッシュの記事を掲載いただいていますのでご覧ください。

今回のチーム紹介。
オーナー:邨瀬 愛彦
クルー:森敏貢、中斉 龍美、石原 隆弘、奥平 泰昌、安藤 康治、畔柳 正雄、伊藤 陽一、毛受 慎吾
鍋田 智之、森 治彦、横山 大助、高須 雅規、平野 純、寺尾 真裕子
サポートクルー:寺尾 和彦、千藤 ますみ、森 里美、佐藤 晶彦
回航クルー:安藤 康治、高須 洪吉、寺尾 和彦、古川 文土、手塚 勝久、寺尾真裕子

最後になりましたが、レース委員会のみなさん、そして温かくフィニッシュのお出迎えをしてくださったLMYCのみなさん始め、今回のレースを支えてくださった&応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!



photos and movie by Menjo & Mayuko